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2024/08/23 お知らせ

「B型肝炎正しく理解して」沖縄タイムス論壇に掲載されました。

こんにちは

弁護士田村ゆかりです。

 

2024年7月28日世界肝炎デーの日に

沖縄タイムス論壇に掲載されましたので宜しければご一読ください。

【記事データ】SMNC20240728

沖縄タイムス社提供

 

B型肝炎正しく理解して

 

私は三人の子をこれまで何度も予防接種に連れて行きました。ごく小さいころは注射されることをわからずお医者さんにニコニコするものの、いざ注射されると泣き喚き。少し大きくなると、注射を嫌がり車から降りず、泣くのをなんとか宥めて注射を受けさせました。

 同じ苦労をされてきたお母さん、お父さんは多いと思います。それでも親は、子どもが重篤な病気にかからないように予防接種を受けさせます。

 でも、病気を防ぐはずの予防接種で、肝炎になった人たちがいます。

 注射針を使い回したり、注射筒を換えないまま回し打ちをすると肝炎が蔓延することは戦前から知られていました。当時の厚生省はこの事実を認識し、WHOから勧告を受けていたにもかかわらず、昭和63年ころまで回し打ちを黙認してきました。集団予防接種によるB型肝炎の感染者は、厚労省の推計で全国に45万人に上ります。

 平成元年札幌地裁に5人の被害者が提訴し、最高裁が平成18年にその原告らがB型肝炎ウイルスに感染した原因は集団予防接種にあるとして国の責任を認めました。平成23年には国が法的責任を認めて正式に謝罪し、全国B型肝炎訴訟の原告団弁護団との間で被害者を和解によって救済する基準などを定めた基本合意が成立しました。

 沖縄においても基本合意成立後から提訴を続けており、現在の全国B型肝炎訴訟沖縄原告団弁護団における提訴済み被害者数は447人に上ります。しかし、まだまだ集団予防接種によってB型肝炎に感染しながら、提訴をして給付金を受け取るに至っていない方が多数おられます。採血や献血の際にB型肝炎に感染していると指摘されたことがある方は、弁護団にご連絡下さい。

 また、B型肝炎は、性交渉や血液が傷のある皮膚に接触するなどで感染する可能性がありますが、握手、ハグ、食事を共にするなどで感染するものではありません。感染者が病気だけでなく偏見で苦しむことのないよう正しい知識を持ってほしいです。

 7月28日はWHOが定めた世界肝炎デーです。B型肝炎ウイルスを発見し、後にその診断法とワクチンを開発したアメリカの医学者バルーク・ブランバーグの誕生日に由来します。日本でも同日を日本肝炎デー・肝臓週間として啓発イベントなどが開催されます。これを機に、実は身近なB型肝炎について知ってもらえると嬉しいです。

でいご法律事務所
弁護士田村ゆかり
TEL 098-851-8153
FAX 098-851-8153
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